PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

筋膜の変性

 筋膜は運動器官の構造のすべてに連結されているので,運動器官の機能障害を左右する可能性があります。
運動不足や悪い姿勢を長期間続けていると、細胞外基質の流動性が落ちてドロドロになります。そしてゼラチンのように固まり(これをゲル化という)、コラーゲンやエラスチンの新陳代謝を妨げて筋膜の復元性が低下します。復元性が下がると、細胞外基質の流動性は余計に落ち、コラーゲンに糖質がつくグリケーションとうい現象が発生します。コラーゲンが糖質でベタベタして毛玉のように絡み合い、エラスチンの復元性を邪魔します。こうして筋膜にはねじれや突っ張りが生じてくると、隣接する筋肉の動きが制限されて血液循環が悪くなり凝りや痛みが出てきます。

*外傷,廃用,循環不全、運動不足,長期間にわたる不良姿勢などは,コラーゲン束のねじれによって最終的には脱水が生じ,収縮して基質がゲル状になる原因となります。これは腱・筋・筋膜の短縮と機能障害を引き起こします。


 テンセグリティー構造とは
 圧縮と張力のバランスによって安定する構造です。圧縮に耐えるパーツ(圧縮部材)と、張力を生み出すパーツ(張力部材)からなり圧縮部材が互いに接していなくても、張力部材が全体を偏りなく引っ張ることで安定した形が保てます。これは、アメリカの建築家・思想家のバックミンスター・フラーが発見したものです。
テンセグリティーとはテンション(張力)とインテグリティ(完全性)からフラーが作った言葉です。


筋膜は三次元的に全身に連続した組織であり、膜に強度と形態を与えるコラーゲン線維と形態記憶性と伸張性を与える弾性線維からなり、姿勢と運動をコントロールしています。

筋膜の主要成分はコラーゲン線維で、それ自体に伸張性はないのですが、網目状に配列することで伸張性を生み出しています。そしてコラーゲンの分子と分子が架橋(クロスブリッジ)と呼ばれる橋かけによって結合されています。
通常、架橋はコラーゲン分子の末端に生成され、成長ともに増加し、ある程度の硬さのコラーゲン線維に成熟します。この架橋は「生理的架橋」と呼ばれますが、これが多いほどコラーゲン線維の伸張性が低下します。これに対し老化ともに生成されるのが「老化架橋」と呼ばれるもので、これは分子の末端ではなく、分子間にランダムに生成されます。歳をとったらからだが硬くなるのは、この「老化架橋」がひとつの要因なのです。また不動によってもコラーゲン線維間のランダムな架橋ができると言われています。

不動により筋周膜や筋内膜は肥厚することがラットを使った動物実験で認められています。こうして筋内結合組織の割合が増え、筋組織が線維化すると伸張性が低下することになります。さらに長期の不動により、コラーゲン線維の配列の変化が生じ、正常では組織の長軸方向に対して縦走していますが、動かないことにより長軸に対して横走してくることが報告されています。
痛みなどによる筋スパズムは、ミオシンとアクチン間のクロスブリッジ形成が継続し、血流が低下して不動状態となります。これは筋線維の短縮やコラーゲン分子間の架橋の生成につながり、結果的に筋膜の伸張性が低下すると考えられます。

糖尿病では血中の糖の濃度が常時高いと、“非酵素的”に糖がコラーゲンに結合してしまうのですが、それが関節の固定、つまり「不動化」でも起こるだろう、と考えたわけです。固定の時間が長くなると細胞数が減少し、コラーゲンの糖化が増えていきます。

 動脈は内膜,中膜,外膜の3 層構造から成り,その構造と機能の面から弾性型動脈,筋型動脈および細小動脈の3種類がある。糖尿病の血管合併症には糖尿病性細小血管症と糖尿病性大血管症があり,前者には糖尿病性糸球体硬化症と網膜症および細小動脈硬化症が含まれる。大血管症は通常の粥状硬化と同様であり,糖尿病ではより早期から,より高度に生じる。
中膜の主要な構成成分は平滑筋細胞とコラーゲン,エラスチンである。糖尿病による中膜障害は,複数の機序が相加・相乗的に作用して起こる.高血糖により中膜の構造蛋白であるコラーゲンにはグリケーション(糖化反応)が起こり,後期反応生成物(AGEs)が蓄積し,血管は硬化する.グリケーションの過程では活性酸素が発生するため,平滑筋細胞は傷害される.さらに細胞内のポリオール経路の亢進やAGE 受容体を介して細胞内酸化ストレスが亢進し,平滑筋細胞における細胞接着分子の変化やアポトーシスが引き起こされる.

Ⅰ.蛋白のグリケーション
持続的な高血糖下では生体内の蛋白質の非酵素的糖付加反応(グリケーション)が促進する.血漿蛋白のみならず細胞外マトリックス,細胞を構成する蛋白,酵素などがグルコースやフルクトースによりグリケーションを受け,アマドリ転位物を経て後期反応生成物(advanced glycation end products:AGE)へと変化する。この反応により生成するグリコヘモグロビン(HbA1c)は糖尿病患者の血糖コントロールの指標として広く用いられている.また例えば活性酸素消去系酵素のスーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase:SOD)がグリケーションを受けると,酵素活性の失活のみならず,反応の進行に伴いそのアマドリ転位物から活性酸素を発生する。このことはグリケーションと酸化ストレスとの間に密接な関係があることを示している。さらにポリオール経路を経由して生成するフルクトースもこの糖付加反応に寄与することから,ポリオール経路の亢進はグリケーションの促進につながる。結果として蓄積したAGE化蛋白は,血管壁構成細胞に作用して細胞の増殖・遊走・サイトカイン放出を惹起し,血管壁の再構築による血管病変の形成にあずかる。

| 筋膜とは | 12時11分 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑















非公開コメント

http://ifri.blog34.fc2.com/tb.php/43-8b3667a5

PREV | PAGE-SELECT | NEXT